2026年10月12日、Metaは開発者向けブログで、新しいAIモデル「Muse Wonder(ミューズ ワンダー)」と上位版の「Muse Wonder Full」を発表しました。Muse WonderはMetaのAPI「Meta Model API」と、Metaのコーディングツール「Muse Code」で使えます。
この記事では、Metaの公式開発者サイト(dev.meta.ai)の発表とドキュメントにのっている内容だけをもとに、Muse Wonderの特徴、料金、使える場所をまとめます。

Muse Wonderとは
Meta Model APIのドキュメントでは、Muse Wonderは「Metaでもっとも高性能なモデル」で、複雑なソフトウェア開発や、長時間にわたるエージェントの作業向けに作られていると説明されています。
ドキュメントでは、次のようなことができるとしています。
- 実際のリポジトリで、たくさんのファイルにまたがる変更を行い、確認する
- 作業を計画し、サブエージェントに仕事を分け、ツールを並列で呼び出す
- 何ステップもつづく作業の中で、エラーから立ち直る
- コンピューター操作(computer use)でデスクトップを動かす
- 画像・動画・音声の理解、ツール呼び出し、構造化出力、検索によるグラウンディング
主な仕様
- モデルID:
muse-wonder-1.0 - 入力:テキスト、画像、動画、音声、PDF
- 出力:テキスト
- コンテキストウィンドウ:1,048,576トークン(約100万)
- 推論の深さ(reasoning effort):
minimalからmaxまで
なお、ドキュメントでは、Muse Wonderは「プレビュー」の段階と書かれています。また、開発者ブログでは、音声に依存する用途は、使う環境で音声に対応しているか確認が必要だとしています。
長い作業を支える「active memory」と「active focus」
開発者ブログでは、Muse Wonderシリーズの特徴として次の2つをあげています。
- active memory:会話をまたいで大事な文脈を持ちこし、作業に必要な情報を取り出して、目標・制約・それまでの決定を保つ
- active focus:むずかしいときに別のやり方をためし、行き詰まりを乗りこえて最後までやりきる。必要なときは確認を求め、大事な操作の前にはユーザーに確かめる
Muse WonderとMuse Wonder Fullのちがい
Muse Wonderには2つの種類があります。
- Muse Wonder:Meta Model API(従量課金)とMuse Codeで使える
- Muse Wonder Full:より高性能な版。Muse Codeの「Power Usage」と「Maximum Usage」プランの契約者だけが使える。APIでは使えない
ドキュメントによると、Muse Wonderで推論の深さを max にしても、Fullに切りかわるわけではありません。
開発者ブログでは、Muse WonderはFullに近い性能をもつとしています。また、同時に新しい「Maximum Usage」プランが発表され、「Everyday Usage」プランの80倍の利用量がふくまれるとされています。

料金(Meta Model API)
開発者ブログによると、Meta Model APIでのMuse Wonderの料金は、100万トークンあたり次のとおりです(米ドル)。
- 入力:4.00ドル
- キャッシュされた入力:0.20ドル
- 出力:20.00ドル
Muse Wonder Fullは、Muse Codeのサブスクリプションにふくまれる形で、API料金はありません。料金やレート制限の最新情報は、公式の「Pricing and rate limits」ページで確認してください。
データは学習に使われる?
業務で使うときに気になるのがデータの扱いです。ドキュメントでは、2つのモードが説明されています。
- Standardモード:送ったプロンプト、コード、ファイル、文脈と、返ってきた回答は、Metaのモデルの学習には使われない
- Contributorモード:利用量が増えるかわりに、内容がMetaの将来のモデルの学習に使われる。Muse Codeの契約者向けで、初期状態でオン。設定からいつでもオフにできる
Muse Wonderの従量課金(API)では、Contributorモードは使えないとされています。Muse Codeの契約者は、初期状態でContributorモードがオンになっている点に注意し、会社のコードを扱う場合は設定を確認しましょう。
国による提供のちがい
ドキュメントでは、モデルが使えるかどうかは国によってちがう場合があり、くわしくは「Geographic Use Policy」を確認するよう案内されています。日本で使えるかは、使う前に確認してください。
Muse Sparkとの使い分け
Metaのドキュメントでは、同じAPIで使える「Muse Spark」との使い分けを次のように説明しています。
- Muse Wonder:トークンあたりの料金より性能が大事な、長くて複雑な作業(複数ファイルのコード変更、何時間もつづくエージェント、サブエージェントの指揮など)
- Muse Spark:量が多い、速さが大事、コストを抑えたい作業(サブエージェントの作業、分類、短いツールのくり返しなど)
同じエンドポイントで同じリクエストを受けつけるので、モデルIDを変えるだけで切りかえられます。
ほかのAIとの位置づけ
2026年10月は、GoogleのGemini 4 Argonなど、各社から長い作業向けのモデルが続けて出ています。Metaの開発者ブログには他社モデルとのベンチマーク表ものっていますが、この記事では性能の比較はしていません。料金だけを見ると、Muse Wonderの入力4ドル/出力20ドルは、Gemini 4 Argonの12月1日以降の通常価格と同じ水準です。
小型で安いモデルについてはClaude Haiku 5.5の記事、AIエディタについてはCursorの記事もあわせてどうぞ。
まとめ
- Muse Wonderは、Metaが2026年10月12日に公開した、長いコーディングやエージェントの作業向けのモデル(ドキュメント上はプレビュー)
- Meta Model APIとMuse Codeで使える。料金は入力4ドル/出力20ドル(100万トークンあたり)
- 上位のMuse Wonder Fullは、Muse CodeのPower Usage・Maximum Usageプラン限定
- Standardモードは学習に使われない。Muse CodeのContributorモードは初期状態でオンなので注意

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