PHP2Shellの対象製品|Cisco・Citrix・F5・Siemens・PAN-OSの直ったバージョン一覧

PHP2Shellの対象製品を確かめる。Palo Alto Networks・Cisco・Citrix・F5・Siemensが、対象の製品と直ったバージョンを発表している。PHPそのものの脆弱性なので、PHPを組み込んだネットワーク機器や業務用ソフトも対象になる。まず、自社の機器の製品名とバージョンを確かめる。対象だったら、メーカーの発表にある直ったバージョンか、それより新しいバージョンに上げる。すぐに上げられないあいだは、管理画面に入れる相手を管理用のネットワークだけに絞る。修正がまだないSiemensの製品は、ファイアウォールやネットワークの分離で守る。BIG-IPは直ったバージョンでもPHPが5.4.45と表示されるが、BIG-IPのバージョンが直ったものなら修正済み。ネットワーク機器や業務用ソフトの管理者へ

PHP2Shell(CVE-2026-109618・CVE-2026-109619)は、PHPそのものの脆弱性です。PHPを中に組み込んでいるネットワーク機器や業務用ソフトも対象になり、Palo Alto Networks・Cisco・Citrix・F5・Siemensが、それぞれ対象の製品と直ったバージョンを発表しています。

どのメーカーも、管理画面やログイン画面を動かす部分にPHPが入っている製品が中心です。自社の機器の製品名とバージョンを、下の表と見比べてください。対象だった場合は、表のバージョンか、それより新しいバージョンに上げてください。すぐに上げられないあいだは、管理画面に入れる相手を管理用のネットワークだけに絞ります。修正がまだないSiemensの製品は、ファイアウォールやネットワークの分離で守ります。

目次

結論:メーカーごとの対象製品と直ったバージョン

メーカー 対象の製品 直ったバージョン・対応
Palo Alto Networks PAN-OS(PA-Series・VM-Series・Panorama) 系列ごとにhotfixあり(一覧はこちら)
Cisco Expressway Series、Expressway Select Series 15.5.21
Cisco Duo Access Gateway 3.2.0
Cisco Ultra-Reliable Wireless Backhaul(URWB)・Unified Industrial Wireless Software 26.2.1.9(2026年11月予定)
Citrix NetScaler ADC、NetScaler Gateway 14.1-73.49以降、13.1-64.32以降
F5 BIG-IP APM、BIG-IPのConfiguration utility(全モジュール) 21.1.0.4、17.5.1.11、17.1.3.7(直ってもPHPは5.4.45と表示される)
Siemens RUGGEDCOM APE1808(PAN-OSを動かすもの) 直ったPAN-OSに上げる
Siemens Energy Engage、Spectrum Power、AMIS TS、blueplanet 360など 製品ごとに異なる(修正なしもあり)

11月4日10時21分(日本時間)時点の各メーカーの発表の内容です。表のバージョンか、それより新しいバージョンなら直っています。

Ciscoは「この発表に載っていない製品は対象外」としています。Citrixは、NetScaler Console、Citrix Virtual Apps and Desktops、StoreFront、Citrix Workspaceアプリなどを「影響なし」の一覧に挙げています。

悪用はされている?

Palo Alto Networksは、インターネットから開けるPAN-OSの管理画面をねらった悪用を確認しています。米国のCISA(サイバーセキュリティ・社会基盤安全保障庁)は、10月26日に2件とも「悪用が確認された脆弱性」の一覧(KEV)に加えました。

Ciscoは、自社製品への悪用は把握していないとしています。

Palo Alto NetworksとF5は、すぐに更新できないあいだ、管理画面に入れる相手を信頼できる管理用のネットワークだけに絞るようすすめています。Siemensも、ファイアウォールやネットワークの分離で機器への通信を守るようすすめています。

メーカーごとのくわしい内容

Palo Alto Networks

対象はPAN-OS 10.2・11.1・11.2・12.1・12.2で、影響するのは管理用のWeb画面(HTTPSの管理画面とXML API)です。GlobalProtectのポータル・ゲートウェイ、キャプティブポータルは対象外です。Cloud NGFWやPrisma Cloudなど、ほかの製品も対象外とされています。

系列ごとの直ったバージョンと、修正を待つあいだの管理画面の制限は、PAN-OSのCVE-2026-109618の記事で確かめられます。

Cisco

製品 直ったバージョン 補足
Expressway Series 15.5.21 回避策あり
Expressway Select Series 15.5.21 回避策あり
Duo Access Gateway 3.2.0 —
Ultra-Reliable Wireless Backhaul(URWB)・Unified Industrial Wireless Software 26.2.1.9(2026年11月予定) 管理者としてログインした相手からしか攻撃できない(CVSS 6.6)。回避策あり
Identity Services Engine(ISE) Portal Builder Cisco側で修正済み 利用者の作業は不要

Ciscoの発表の最終更新は10月31日4時24分(日本時間)で、状態は「Final」です。ISE本体、Secure Firewall、IOS・IOS XE、Meraki、Webexなどは対象外とされています。

Citrix

製品 直ったバージョン
NetScaler ADC・NetScaler Gateway 14.1 14.1-73.49以降
NetScaler ADC・NetScaler Gateway 13.1 13.1-64.32以降
NetScaler ADC 14.1-FIPS 14.1-73.49 FIPS以降
NetScaler ADC 13.1-FIPS・13.1-NDcPP 13.1.37.286以降

Citrixが管理するクラウドのサービスは修正済みで、利用者の作業は要らないとしています。NetScaler Console、Citrix Virtual Apps and Desktops、StoreFront、XenServerなどは、「影響なし」の一覧に挙げられています。

F5

製品 影響する部分 直ったバージョン
BIG-IP APM データプレーン(アクセスプロファイル)。ログインなしで攻撃されうる 21.1.0.4、17.5.1.11、17.1.3.7
BIG-IP(全モジュール) 管理用のConfiguration utility。ログインした相手からの攻撃 21.1.0.4、17.5.1.11、17.1.3.7

17.5.1.10と17.1.3.6には、修正を入れたエンジニアリングhotfixも出ています。BIG-IQ、F5OS、NGINX、F5 Distributed Cloud、BIG-IP Nextは対象外です。

直ったBIG-IPでも、PHPのバージョンは5.4.45と表示されます。F5は、新しいPHPの修正を5.4.45に取り込んでいるため、表示が古くても直っているとしています。脆弱性診断のツールが5.4.45を古いと指摘しても、BIG-IPのバージョンが上の表のとおりなら修正済みです。

Siemens

Siemensは、産業用の機器と業務用ソフトについて、3つの発表で状況を出しています。

製品 対象になる条件 対応
RUGGEDCOM APE1808 PAN-OS 10.2・11.1・11.2・12.1・12.2を動かしているもの 直ったPAN-OSに上げる
Energy Engage V3.1SP1 すべてのバージョン PHPをV8.1.34 release 6に上げる
Energy Engage V2.0SP9 すべてのバージョン 修正の予定なし
Spectrum Power TG WindowsでWebConsole・WebQueryを使うもの PHPを8.5.12に上げる
Spectrum Power 7 IHM(NagiosXI)を使うもの Red Hat Enterprise Linux 8・9のPHPの修正を当てる
Spectrum Power 3 Red Hat Enterprise Linux 7の上でIHM(NagiosXI)を使うもの(CVE-2026-109619だけ) Red Hat Enterprise Linux 7のPHPの修正を当てる
Spectrum Power 4 NagiosかZabbix、Web Office Portal V3.0〜V3.2、HISViews V1.0を使うもの 修正はまだない
AMIS TS、blueplanet 360 NX3 M6 WM OD IISX(-S) すべてのバージョン 修正はまだない

Desigo CC、SiPass integrated、Teamcenter Share、Solid Edgeなど多くの製品は、PHPが入っていないため対象外とされています。対象外の一覧は、SSA-166980とSSA-566435で確かめられます。

PHP2Shellとは

PHPの開発元が10月21日に発表した、2件の脆弱性です。どちらも、PHPが処理の途中でエラーになったときにメモリーの後片づけがうまくいかず、外から細工した通信を送られると、そのサーバーで勝手にプログラムを動かされるおそれがあります。深刻度はどちらもCritical(CVSS 4.0で9.2)です。

PHPそのものは、8.2.35・8.3.36・8.4.27・8.5.12で直っています。自分でPHPを入れているサーバーのバージョンの確かめ方と上げ方は、PHPの脆弱性2件(2026年10月21日)の記事で確かめられます。PHP2Shellと同じ2件の脆弱性を扱っています。別のPHPの脆弱性CVE-2026-115560は、CVE-2026-115560(PHP)の記事で扱っています。

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公式の発表

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この記事を書いた人

社内エンジニアとして、SREとセキュリティの仕事をしています。サーバーの構築や運用、クラウド環境の設計にも関わってきました。趣味はゲームと漫画・アニメ。

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