Tencent Hy4とは?できること(画像の読み取り・コンピューター操作)と使える場所・API料金、重みの公開予定

Tencent Hy4でいまできること。画像の読み取りとコンピューター操作に対応した。重みはこれから公開で、いまはAPIで試せる。APIで試すなら、OpenRouterでモデル名 tencent/hy4 を指定する。アプリで使うなら、WorkBuddy・CodeBuddyなどTencentのアプリがある。自分のサーバーで動かすなら、いまは前のバージョンのHy4 previewの重みを使う。Hy4の重みはシステムカードと一緒にこれから公開される予定。Hy4を試すか迷っている開発者へ

Tencent(テンセント)は11月4日、大規模言語モデルの新しいバージョン「Hy4」を発表しました。Hy4では、画像の読み取りと、コマンドラインと画面を使ってパソコンを操作する「コンピューター操作」に、初めて対応しました。モデルの重みは「近日公開」とされていて、11月5日の時点ではまだダウンロードできません。

いま試すなら、次の3つの方法があります。

  • APIで呼ぶ:OpenRouterでモデル名 tencent/hy4 を指定する。Tencent CloudのTokenHubでは、12月31日まで通常の半額
  • Tencentのアプリで使う:WorkBuddyとCodeBuddyは、11月4日〜11月15日は、決まった量まで無料(中国語の発表による)
  • 自分のサーバーで動かす:いまダウンロードできるのは、8月に出た前のバージョン「Hy4 preview」の重み(Apache License 2.0)

11月5日8時52分(日本時間)時点の、Tencentの発表(11月4日)、Hugging Faceのモデルカード、OpenRouterのモデルページにもとづく内容です。

目次

Tencent Hy4とは

Hy4は、Tencentのモデル開発チーム「Tencent Hy」が作った大規模言語モデルです。中国語の発表では、チーム名が「腾讯混元」(Hunyuan)と書かれていて、公式のGitHubの組織名も「Tencent-Hunyuan」です。これまで「Hunyuan(混元)」の名前で出ていたモデルと、同じチームのモデルです。

8月には先に「Hy4 preview」が出ていて、11月4日のHy4はその正式なバージョンです。Tencentは、Hy4 previewより学習のデータと規模を大きく広げたとしています。

項目 Hy4(11月4日) Hy4 preview(8月)
画像の読み取り できる できない
コンピューター操作 できる できない
文脈の長さ 約100万トークン(OpenRouterの表示は1,048,576) 約100万トークン(モデルカード)
パラメータ数 発表に記載なし 全体770B、1トークンごとに動くのは49B
重み 近日公開 公開済み(Apache License 2.0)

Hy4 previewの数字は、Hugging Faceのモデルカードにあるものです。Hy4のパラメータ数とライセンスは、重みとモデルの説明書(システムカード)が出たときに確かめられます。

Hy4でできること

画像を読み取る

細かい画像の処理、こみいったグラフや表の読み取り、図を使う数学の問題などに対応したとしています。

パソコンを操作する

コマンドラインと画面の両方を使って、仕事や日常の作業を進められるとしています。BlenderやCADなどの専門のソフトについても学習させ、長い手順の作業の計画と実行が強くなったとしています。

仕事の作業、ゲーム開発、研究

  • WorkBuddyでの評価で、平均点83.18、合格率96.15%。12の場面のうち9つで、中国国内で1位
  • 金融の専門家213人が579の実際の作業で比べたテストで3.04点(DeepSeek-V4.1-Flash-1017は2.97点、Kimi K3.1 ProとGLM-5.3は2.68点)
  • Tencentの社内テストで、事実と違う答え(ハルシネーション)の割合が、Hy4 previewの12.95%から7.2%に下がった
  • Unreal Engine、Unity、Godotに合わせて学習。ゲーム開発のテストで、Hy4 previewよりGameDevが19.1%、GameLogicが9.8%上がった

どの数字も、Tencentや協力した会社が自分たちで行った評価です。

安全面の扱い

セキュリティの学習データは、PoC(脆弱性を確かめるためのコード)の作成や脆弱性の修正など、守る側のものに絞り、攻撃に使う内容は外したとしています。Tencentの社内のセキュリティ研究チームが調べたところ、調べた範囲で攻撃の能力に大きな心配は見つからなかったとしています。

使える場所

場所 中身
Tencent Cloud TokenHub APIで使う。12月31日まで通常の半額
WorkBuddy・CodeBuddy Tencentの仕事用・開発用のアプリ。11月4日〜11月15日は、決まった量まで無料(中国語の発表による)
Yuanbao(元宝)、WeComのAIアシスタント(Dayuan)、ima Tencentのアプリ
OpenRouter、Hermes、OpenCode ほかの会社のサービスからAPIで使う

QQ、Honor of Kings(王者栄耀)、WeRead、Tencent Newsなどにも、これから入れていくとしています。

使える場所とキャンペーンは、Tencentの発表(中国語・英語、11月4日)によるものです(11月5日8時52分(日本時間)に確認)。

API料金

Tencentの発表では、Hy4の料金はHy4 previewと同じで、下の表は通常の料金です。Tencent CloudのTokenHubでは12月31日まで、OpenRouterではいま、この半額です。

100万トークンあたり 中国語の発表 英語の発表 OpenRouter(通常)
入力 6元 約0.90ドル 0.834ドル
出力 18元 約2.70ドル 2.501ドル
キャッシュされた入力 0.3元 約0.045ドル 0.042ドル

料金とキャンペーンは、Tencentの発表(中国語・英語、11月4日)と、OpenRouterのモデルページ(11月5日8時52分(日本時間)に確認)によるものです。表示の通貨やまるめ方で数字が少し違います。実際に払う額は、使うサービスの料金ページで確かめてください。

OpenRouterでは、Tencent Cloudが提供元で、いまは半額の入力0.417ドル・出力1.251ドル・キャッシュの読み込み0.021ドルと表示されています(どれも100万トークンあたり)。1回に出力できるのは最大65,536トークンで、関数の呼び出し(ツール呼び出し)とJSONの形を決めた出力にも対応しています。

OpenRouterで試す

OpenRouterでAPIキーを作り、環境変数 OPENROUTER_API_KEY に入れてから、次のように呼びます。OpenRouterの書き方にそったもので、モデル名だけ tencent/hy4 にしています。

curl https://openrouter.ai/api/v1/responses \
  -H "Content-Type: application/json" \
  -H "Authorization: Bearer $OPENROUTER_API_KEY" \
  -d '{
  "model": "tencent/hy4",
  "input": "Hy4でできることを3つ教えてください"
}'

OpenRouterのAPIはOpenAIのAPIと同じ形なので、OpenAIのSDKを使っているなら、接続先を https://openrouter.ai/api/v1 に変えると使えます。料金は使った量に応じてかかり、長い文書を送るほど高くなるので、まずは短い文で試してください。

重みの公開予定と、Hy4 previewを動かすとき

Tencentは、Hy4の重みとシステムカードを近日公開するとしていますが、日付は出していません。11月5日の時点で、Hugging FaceのTencentのページにあるHy4のモデルは、Hy4 previewとHy4 preview-FP8だけです。

Hy4 previewの重みはとても大きく、Hugging Faceにあるファイルの合計は、ふつうのもので約1.56TB、FP8に量子化したものでも約0.81TBあります。モデルカードの例は、GPU 8枚に分けて動かす設定(--tensor-parallel-size 8)です。vLLMの例は次のとおりです。

docker run --gpus all \
  -p 8000:8000 \
  --ipc=host \
  -v ~/.cache/huggingface:/root/.cache/huggingface \
  vllm/vllm-openai:hy4-preview tencent/Hy4-preview-FP8 \
    --tensor-parallel-size 8 \
    --speculative-config '{"num_speculative_tokens":3,"method":"mtp"}' \
    --attention-backend FLASHMLA_SPARSE \
    --tool-call-parser hy_v4 \
    --reasoning-parser hy_v4 \
    --enable-auto-tool-choice \
    --port 8000 \
    --served-model-name hy4-preview

モデルカードには、SGLangで動かす例と、追加で学習させる(ファインチューニング)手順へのリンクもあります。Hy4 previewは、答えるまでに必要以上に長く考える、自分の答えを確かめすぎる、という課題があるとされています。

よくある質問

Hy4は無料で使えますか?

上の「使える場所」のとおり、WorkBuddyとCodeBuddyは、11月4日〜11月15日は、決まった量まで無料(中国語の発表による)です。APIは使った量に応じて料金がかかります。

Hy4 Flashとは何ですか?

Hy4の力を引き継ぎながら、かかる費用を大きく下げたモデルで、近日公開とされています。

Hy4 previewとHy4のどちらを使えばよいですか?

画像を読ませたい、パソコンを操作させたいなら、いまはAPIでHy4を使う方法があります。自分のサーバーで動かしたいなら、いまはHy4 previewの重みを使い、Hy4の重みが出るのを待つことになります。

参考リンク

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この記事を書いた人

社内エンジニアとして、SREとセキュリティの仕事をしています。サーバーの構築や運用、クラウド環境の設計にも関わってきました。趣味はゲームと漫画・アニメ。

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