Agent Skillsとは?SKILL.mdのしくみとMCPとの違い、AAIFへの寄付で変わること

Agent Skillsとは。スキルはSKILL.mdを入れたフォルダーで、作業の手順にスクリプトや資料を添えられる。必要なときだけ読み込み、オープンな形式なのでChatGPT、Cursor、GitHub Copilotなどでも使える。MCPはつなぐもの、スキルは進め方を教えるもので役割が違う。AnthropicがAAIFに寄付し、仕様は複数の会社の技術運営委員会が方向を決める

Agent Skills(エージェントスキル)は、AIエージェントに特定の作業の進め方や専門の知識を教えるための、オープンな形式です。中身は SKILL.md というファイルを入れたフォルダーで、Claude Codeのほか、ChatGPT、Cursor、GitHub Copilot、VS Codeなどでも使えます。

Anthropicは2026年10月22日、このAgent Skillsを、Linux Foundation傘下の団体Agentic AI Foundation(AAIF)に寄付したと発表しました。AAIFは、MCP(Model Context Protocol)もすでに預かっている団体です。

毎回同じ手順をAIに説明している人は、まず SKILL.md を入れたフォルダーを1つ作り、Claude Codeなら ~/.claude/skills/ に置けば試せます。

目次

結論:いま押さえること

  • スキルは、SKILL.md を入れたフォルダーです。作業の手順を書いた文章に、スクリプトや参考資料、テンプレートを添えられます。
  • Anthropicによると、10月22日の発表の時点で、ChatGPT、Cursor、GitHub Copilot、VS Codeなど70以上のエージェントのプラットフォームが対応しています。
  • MCPはAIを外のサービスやデータにつなぐもので、スキルは作業の進め方を教えるものです。役割が違い、一緒に使えます。
  • 寄付で、名前とロゴ、GitHubの組織、agentskills.ioのドメインがAAIFに移りました。これからは、複数の会社の人が入った中立の場で、仕様の行き先を決めます。
  • スキルを使うのも、仕様づくりに加わるのも、AAIFに入らなくてもできます。
  • 2026年10月24日10時27分(日本時間)時点の公式の内容です。

Agent Skillsとは

仕様の公式サイトagentskills.ioでは、Agent Skillsを「専門の知識と作業の流れで、AIエージェントの能力を広げるための、軽くてオープンな形式」としています。

エージェントは多くのことができますが、会社やチームごとの手順、何をもって良い結果とするかまでは知りません。スキルにその手順や例、結果の確かめ方を書いておけば、毎回同じ説明をしなくても済み、ほかの人が作ったスキルをそのまま使うこともできます。

スキルのフォルダーの形は、公式の仕様では次のとおりです。必要なのは SKILL.md だけで、ほかのフォルダーは必要に応じて足します。

skill-name/
├── SKILL.md          # Required: metadata + instructions
├── scripts/          # Optional: executable code
├── references/       # Optional: documentation
├── assets/           # Optional: templates, resources
└── ...               # Any additional files or directories
  • scripts/:エージェントが動かせるプログラム
  • references/:必要なときに読む資料
  • assets/:テンプレートや画像、データのファイル

Anthropicの発表によると、スキルはもともとClaude Codeを作るなかで生まれました。2025年10月に出したあと、2025年12月に、どのエージェントでも使えるオープンな標準として公開されています。

しくみ:必要なときだけ読み込む

スキルは、作業に要る分だけを段階的に読み込みます。公式はこれを「プログレッシブ・ディスクロージャー」と呼んでいます。たくさんのスキルを入れておいても、ふだんは名前と説明しか読まないので、AIが一度に覚えておける量(コンテキスト)をあまり使いません。

段階 読み込むもの
1. 発見 起動したときに、すべてのスキルの name と description を読む。1つあたり約100トークン
2. 有効化 作業が説明に合ったときに、SKILL.md の本文すべてを読む。5,000トークン未満が推奨
3. 実行 必要になったときだけ、スクリプトや参考資料など、ほかのファイルを読んだり動かしたりする

公式の仕様では、SKILL.md を500行より短くし、くわしい資料は別のファイルに分けるよう勧めています。

SKILL.mdの書き方

SKILL.md は、先頭にYAMLで書いた項目(フロントマター)を置き、そのあとにMarkdownで手順を書きます。Claudeの公式Docsにある形は次のとおりです。

---
name: your-skill-name
description: Brief description of what this Skill does and when to use it
---

# Your Skill Name

## Instructions
[Clear, step-by-step guidance for Claude to follow]

## Examples
[Concrete examples of using this Skill]

必ず書く項目は、name と description の2つです。仕様で決まっている項目は次のとおりです。

項目 決まり
name 必須。64文字まで。使えるのは英小文字・数字・ハイフンだけで、ハイフンで始めたり終えたり、続けたりしない。フォルダーの名前とそろえる
description 必須。1,024文字まで。スキルが何をするかと、いつ使うかを書くよう勧められている
license 任意。ライセンスの名前か、同じフォルダーに入れたライセンスのファイル名
compatibility 任意。500文字まで。必要な環境(対象の製品、入れておくパッケージ、ネットワークなど)。多くのスキルでは要らない
metadata 任意。仕様にない情報を、キーと値の組で入れる
allowed-tools 任意。前もって使ってよいとするツールを、空白で区切って並べる。試験的な項目で、エージェントによって対応が違う

エージェントは description を見て、そのスキルを使うかを決めます。公式の仕様は、何をするかと、いつ使うかの両方を書き、作業を見分けるための言葉を入れるよう勧めています。本文の書き方に決まりはなく、手順、入力と出力の例、よくある例外を書くよう勧めています。

Claudeでは、このほかに name と description にXMLのタグを入れられず、name に「anthropic」「claude」という言葉も使えません。

MCPなどとの違い

Claudeのヘルプセンターは、スキルとほかのしくみの違いを次のように説明しています。

しくみ 役割
スキル 作業の手順を教える。作業に合うときだけ読み込まれる
MCP Claudeを外のサービスやデータにつなぐ
プロジェクト そのプロジェクトのチャットで、いつも読み込まれる背景の知識
カスタム指示 すべての会話に広くかかる指示

MCPとスキルは一緒に使えます。MCPでつないだツールを、どう使えばうまくいくかをスキルで教える、という組み合わせです。Claudeのスキルのディレクトリーには、Notion、Figma、Atlassianなどの会社が作り、それぞれのMCPのコネクターと合わせて使うスキルも載っています。

AAIFへの寄付で何が変わるか

AAIFは、Linux Foundation傘下で、AIエージェントのためのオープンな標準やプロトコル、基盤を、特定の会社に偏らずに預かる団体です。2025年12月に、Anthropic、Block、OpenAIが共同で立ち上げ、MCP、goose、AGENTS.mdの3つから始まりました。10月22日には、Agent Skillsを含む4つが加わり、10になったと発表しています。

  • Anthropicが寄付したのは、Agent Skillsの名前とロゴ、GitHubの組織、agentskills.ioのドメインです。
  • 仕様は、Anthropic、Google、OpenAIなどのエンジニアが、それぞれ個人の立場で保守します。中心になる保守役(リードメンテナー)は、David Soria ParraさんとMahesh Muragさんです。
  • AAIFによると、これからは複数の会社から集まった技術運営委員会が、仕様の方向を決めます。
  • 仕様のGitHubリポジトリ(agentskills/agentskills)では、コードはApache 2.0、文書はCC BY 4.0のライセンスです。
  • Anthropicは、まず取り組むこととして、バージョンをつけたリリース、仕様を変えるときの正式な提案の手続き、スキルを書く人と入れる人のためのセキュリティの手引きを提案しています。

Anthropicは、MCPと同じように、コミュニティの意見と開かれた意思決定を大事にして進めるとしています。仕様への貢献はGitHubで、変更案への意見はDiscordで受け付けています。

自分はどう使えるか

Claudeで使う

  • Claude Code:SKILL.md を入れたフォルダーを、自分用なら ~/.claude/skills/、プロジェクト用なら .claude/skills/ に置きます。アップロードは要りません。
  • claude.ai:自分で作ったスキルを、zipファイルにしてアップロードします。コード実行の機能を有効にしておく必要があります。
  • Claude API:コード実行のツールと一緒に使います。

Claude APIで使うスキルは、claude.aiやClaude Codeとは別に入れます。claude.aiで有効にしたスキルは、同じアカウントでサインインしたClaude Code(v2.1.273以降)にも読み込まれます(claude.aiからClaude Codeへの一方向)。Claude CodeをAPIキーでサインインして使うときや、Amazon Bedrockなどのクラウドで動かすときは同期しません。また、AnthropicはPowerPoint、Excel、Word、PDFを扱うスキルを用意していて、claude.aiやClaude APIで使えます。

VS Code(GitHub Copilot)で使う

agentskills.ioのクイックスタートでは、VS Codeでの使い方を例にしています。VS Codeは、プロジェクトの .agents/skills/ にあるスキルを読み込みます。Copilot Chatをエージェントのモードにして /skills と打つと、読み込まれたスキルの一覧が出ます。

Cursorそのものの使い方は、Cursorとは?AIエディタの使い方とVS Codeとの違いにあります。

ほかのエージェントで使う

同じ形式のスキルは、Agent Skillsに対応したほかのエージェントでも使えます。対応している製品は、agentskills.ioの「Client Showcase」に載っています。スキルを置く場所はエージェントごとに違うので、使うエージェントの説明を確かめます。

使うときの注意

スキルは、エージェントに手順を教えるだけでなく、スクリプトを動かさせることもできます。Claudeの公式Docsは、自分で作ったものか、Anthropicから手に入れたものという、信頼できるところのスキルだけを使うよう勧めています。悪意のあるスキルは、書かれた目的と違うやり方でツールを呼んだり、プログラムを動かしたりするおそれがあるためです。

  • 出どころの分からないスキルは、SKILL.md、スクリプト、画像など、入っているファイルをすべて確かめてから使う
  • 外のURLからデータを取ってくるスキルは、取ってきた中身に悪い指示がまぎれるおそれがあるので、特に気をつける
  • 大事なデータを扱う環境では、ソフトウェアを入れるときと同じくらい慎重に扱う

AIが読む文章に指示をまぎれこませる手口は、メールに隠した「AIへの指示」とは?フィッシングがAIアシスタントを狙う仕組みと、使う側ができる対策にあります。

よくある質問

Claudeでしか使えない?

いいえ。Claudeのヘルプセンターも、作ったスキルはClaudeだけに縛られず、この形式に対応したAIのツールで使えるとしています。

プログラミングができないと作れない?

簡単なスキルなら、Markdownで手順を書くだけで作れます。Claudeのヘルプセンターは、より進んだことをしたいときにスクリプトを添えられる、としています。

MCPの代わりになる?

なりません。MCPは外のサービスやデータにつなぐもので、スキルは作業の進め方を教えるものです。役割が違うので、一緒に使えます。

公式の発表と資料

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この記事を書いた人

社内エンジニアとして、SREとセキュリティの仕事をしています。サーバーの構築や運用、クラウド環境の設計にも関わってきました。趣味はゲームと漫画・アニメ。

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