Snort 3の脆弱性CVE-2026-20043とは?3.12.4.0への更新と対象のCisco製品

Snort 3の脆弱性、使い方ごとの今やること。Ciscoが直ったバージョンを発表した。Snort 3を自分で動かしている人は、snort -V でバージョンを確かめ、3.12.4.0以上に上げる。FTDを管理している人は、show version で確かめ、記事の表の直ったバージョンへ上げる。Cyber VisionとCisco IOS XEのUTDは、系列ごとに決まったバージョン以上へ上げる。CDFWとCSAは自動で更新されていて、Meraki MXもオンラインでMeraki Dashboardにつながっている機種は自動で更新されている。上げる前に、機器のメモリーが足りるか、今のハードウェアと設定が新しいバージョンでも使えるかを確かめる。Snort 3やFTDなどのCisco製品を管理している人へ

Ciscoは10月22日1時(日本時間)、Snort 3を使う複数の製品について、社内の調査で見つかった脆弱性を直したと発表しました。CVE-2026-20043はそのうちの1つで、深刻さを表すCVSS 3.1の点数は9.0です。

Snort 3を自分で動かしている人は、3.12.4.0以上に上げます。Cisco Secure Firewall Threat Defense(FTD)などの製品を管理している人は、下の表で製品ごとの直ったバージョンを確かめます。

目次

結論:Snort 3は3.12.4.0以上、製品は直ったバージョンへ

  • 単体のSnort 3(オープンソースのSnort 3)は、3.12.4.0で直っています。
  • FTD、Cisco Cyber Vision、Cisco IOS XEのUTDは、系列ごとに決まったバージョン以上へ上げます。
  • Cisco Cloud-delivered Firewall(CDFW)とCisco Secure Access(CSA)は、10月21日の時点で自動で更新されています。Cisco Meraki MXも、オンラインでMeraki Dashboardにつながっている機種は、10月21日の時点で自動で更新されています(日付はCiscoの発表どおりで、日本時間に直していません)。利用者の操作は要りません。
  • 回避策はありません。
  • Ciscoは、悪用や公の発表は把握していないとしています。
  • 2026年10月25日8時42分(日本時間)時点のCiscoの発表の内容です。

CVE-2026-20043とは

CiscoのSnort 3の開発チームが社内でセキュリティを見直し、いくつもの脆弱性を見つけました。Ciscoは、見つかった脆弱性を弱点の種類(CWE)ごとに分け、種類ごとに1つのCVE番号を付けています。

CVE-2026-20043は、「範囲外への書き込み」(CWE-787)の種類に入る脆弱性に付いた番号です。CVSS 3.1の点数9.0は、この種類に入る脆弱性のうち、いちばん影響が大きいものの点数です。

Ciscoが付けた点数の内訳では、ネットワーク越しに、認証なしで狙えるとされています。一方で、攻撃の条件をそろえる難しさは「高」です。影響は、機密性・完全性・可用性のどれも「高」です。

CVEの登録は、10月22日1時12分(日本時間)に公開されました。登録に付いている米国CISAの評価では、悪用は「なし」、攻撃の自動化は「できない」、影響は「全面的」です。

見つけたのはCiscoの社内のテストです。Ciscoは、これまでのテストの手順に加えて、最先端のAIのモデルも使ったとしています。

同じアドバイザリにある4つのCVE

同じアドバイザリには、CVE-2026-20043を含めて4つのCVEがあります。

CVE番号 弱点の種類とCVSS
CVE-2026-20043 範囲外への書き込み(CWE-787)、CVSSは9.0
CVE-2026-20236 計算の誤り(CWE-682)、CVSSは7.5(アドバイザリの表では9.0)※
CVE-2026-20291 権限の管理の不備(CWE-269)、CVSSは7.8
CVE-2026-20356 資源の使いすぎ(CWE-400)、CVSSは7.5

※CVE-2026-20236の点数は、CVEの登録と、Ciscoが配っている機械で読める形の発表(CSAF)の点数の欄では7.5(High)です。付いているベクトル(AV:N/AC:L/PR:N/UI:N/S:U/C:N/I:N/A:H)から計算しても7.5になります。一方で、アドバイザリのページの表と、CSAFの説明の文の中の表では9.0です。

直ったバージョンと対象の製品は、4つのCVEで同じです。上げれば4つとも直ります。

対象のCisco製品

Ciscoによると、次の製品が、設定にかかわらず影響を受けます。

  • Cisco Cloud-delivered Firewall(CDFW)
  • Cisco Cyber Vision
  • Cisco Meraki MX Security Appliances
  • Cisco Secure Access(CSA)
  • Cisco Secure Firewall Threat Defense(FTD)Software
  • オープンソースのSnort 3
  • Cisco IOS XE SoftwareのUnified Threat Defense(UTD)

オープンソースのSnort 2は対象ではありません。Snort 2は、すでにサポートが終わっています。

直ったバージョン

Snort 3

3.12.4.0より前の3.xが対象で、3.12.4.0で直っています。GitHubのSnort 3の3.12.4.0は、10月22日0時52分(日本時間)に公開されました。必要なライブラリは、LibDAQ 3.0.28とLibML 2.0.0です。

FTD

今のバージョン 直ったバージョン
7.0とそれより前 7.0.10
7.2 7.2.12
7.4 7.4.8
7.6 7.6.6
7.7 7.7.13
10.0 10.0.2
10.1 10.1.0

Cyber Vision

5.6より前のバージョンを使っている人は、直ったバージョンへ移ります。5.6の系列では、5.6.0で直っています。

Cisco IOS XEのUTD

今のバージョン 直ったバージョン
17.12 17.12.8
17.15 17.15.6
17.18 17.18.5
26.1 26.1.2
26.2 26.2.1

アドバイザリには、17.12.8、17.15.6、26.1.2で使うUTDのイメージの名前も載っています。どれもSnort 3の3.12.4.0を含みます。アドバイザリのUTDの表は、10月23日4時3分(日本時間)の更新で直されています。

CDFW、CSA、Meraki MX

CDFWとCSAのクラウドのインスタンスは、10月21日の時点ですべて自動で更新されています。Meraki MXも、オンラインでMeraki Dashboardにつながっている対象の機種は、10月21日の時点で自動で更新されています。どれも利用者の操作は要りません。

今のバージョンの確かめ方

Snort 3

Snort 3を動かしているマシンで、次のコマンドを実行します。-Vは--versionと同じで、Snortのバージョンの番号が出ます。

snort -V

出たバージョンが3.12.4.0より前なら、上げる必要があります。

FTD

FTDのCLIで、次のコマンドを実行します。FTDのコマンドリファレンスによると、ソフトウェアのバージョンやハードウェアの構成などを表示するコマンドです。

show version

出たFTDのバージョンを、上のFTDの表と見比べます。

回避策

Ciscoは、これらの脆弱性に効く回避策はないとしています。そのうえで、直ったバージョンへ上げるよう強くすすめています。

上げる前に、機器のメモリーが足りるか、今のハードウェアと設定が新しいバージョンでも使えるかを確かめるよう、Ciscoは案内しています。

公式の発表

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この記事を書いた人

社内エンジニアとして、SREとセキュリティの仕事をしています。サーバーの構築や運用、クラウド環境の設計にも関わってきました。趣味はゲームと漫画・アニメ。

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