Recursive Flint(フリント)は、AIのスタートアップRecursiveが2026年10月21日(米国時間)に公開した、コーディングエージェント向けの言語モデルです。重みはHugging FaceでApache 2.0のライセンスで公開されていて、日本時間の22日に出たOllama 0.40.8から、Macでは ollama run flint の1行で動かせるようになりました。
答えるのは、手元のMacでAIにコードを書かせたい人の「Flintって何?うちのMacで動く?Claude Codeから使える?」という疑問です。
結論:Flintを手元で使うときに押さえること
- 全体で39.8B(約400億)のパラメーターを持ち、1トークンごとに動くのは約2.5BのMoE(混合エキスパート)モデルです。コンテキストは262,144トークンです。
- Ollamaで動かせるのは、0.40.8の時点ではMacだけです。ほかのGPUへの対応は次のリリース以降とされています。
- 最初にやることは、Ollamaを0.40.8以降にして、ターミナルで
ollama run flintを実行することです。Recursiveの手順書に合わせるなら、タグはflint:40b-a2b-qat-int4にします。そのときは、下のollama launchの--modelも同じタグにします。 - Ollamaのモデルのダウンロードは23GBです。Recursive自身のエンジン「rec」で動かす場合は、M4 Pro・M5 Pro・M5 Maxと48GB以上のユニファイドメモリが条件です。
- Ollamaで動かす場合のメモリの目安は、数字では出ていません。23GBはダウンロードの大きさで、動かすときはそれより多くのメモリを使います。
ollama launch claude --model flintでClaude Code、ollama launch opencode --model flintでOpenCodeにつなげます。コンテキストは、どちらも64k以上と案内されています。- ベンチマークの点数は、Recursiveが自分で測って出した数字です。
Recursive Flintとは
Flintは、リポジトリの中のコードを読んで調べる、バグを直す、機能を足す、テストを書く、といったコーディングエージェントの仕事のために作られたモデルです。考えてから答える推論と、何往復も続くツールの呼び出しに対応しています。入力と出力はテキストだけで、画像は読めません。
Recursiveによると、事前学習から強化学習まで一から学習したモデルで、少人数のチームと、自動でAIの研究開発を進める社内の仕組み「Eureka Machine」で4か月足らずで作ったとしています。
主な仕様
- 開発元:Recursive
- パラメーター:全体39.8B、1トークンあたり約2.5B
- しくみ:MoE。49層のうち47層がMoEで、256個のエキスパートから6個を選び、共有のエキスパート1個は常に使う
- コンテキスト:262,144トークン(入力と出力の合計)
- 入力と出力:テキストとテキスト
- 知識の区切り:2026年6月
- ライセンス:Apache 2.0
「40B-A2.5B」という呼び方は、この数字を丸めたものです。1トークンごとに動かす部分が小さいので、同じくらいの大きさで全部を動かすモデルより速く文字を出せる、というのがRecursiveの説明です。
ベンチマーク(Recursiveの発表)
Recursiveの評価では、Terminal-Bench 2.1で54.9%、SWE-bench Pro v2で89.7%、SWE-bench Verifiedで74.2%でした。Recursiveは、全体のパラメーターが50B未満のMoEモデルの中ではいちばん高いとしています。どれもRecursiveが自分で測った数字です。評価のやり方は出どころごとに違うと、Recursive自身も書いています。
速さについては、Recursiveのエンジンで動かすと、M4 ProのMacBook Proで短いコンテキストのとき1秒に125トークンより多く出せる、と発表しています。
うちのMacで動く?必要なメモリ
Ollamaで動かすなら、OllamaのMacの条件(macOS Sonoma(14)以降)と、Flintに対応した0.40.8以降のOllamaが要ります。0.40.8のリリースノートには「FlintはmacOSで動く。ほかのGPUへの対応は次のリリースで有効にする」と書かれています。
Ollamaで配られているFlintのモデルは、ほとんどが23GBです。
flint:23GB。タグを付けないとこれになりますflint:40b-a2b-qat-int4:23GB。Recursiveの手順書が指定しているタグですflint:40b-a2b-q4_1:26GBflint:40b-a2b-mlx-bf16:80GB。量子化していない重みです
ただし、Recursiveの手順書は「ダウンロードの大きさは、動かすときに使うメモリの一部でしかない」としています。会話の履歴を置くKVキャッシュや計算用の領域、macOSやほかのアプリの分も要り、コンテキストを長くするほど増えます。メモリが足りなくなったら、コンテキストを短くするか、もっと小さい量子化のモデルを使うように、とのことです。
はっきりしたメモリの条件が出ているのは、Recursiveのエンジン「rec」のほうです。
- M4 Pro、M5 Pro、M5 MaxのどれかのApple Silicon
- 48GB以上のユニファイドメモリ
- 30GBくらいの空きディスク
- Node.js 22とnpm(PiやOpenCodeを起動するのに使う)
recはモデルをダウンロードする前にチップとメモリを確かめ、条件に合わないMacではモデルをダウンロードしません。
Ollamaで動かす方法
Ollamaを0.40.8以降にしてアプリを開いたら、ターミナルで次のどちらかを実行します。最初の1回はモデルのダウンロードから始まります。
ollama run flint
Recursiveの手順書では、量子化の種類を指定した次のタグを使っています。
ollama run flint:40b-a2b-qat-int4
どちらも23GBですが、flint と flint:40b-a2b-qat-int4 は中身の違う別のモデルです(Ollamaのタグのページで、中身を表すIDが違う)。片方を動かしたあとにもう片方を動かすと、また23GBをダウンロードします。Recursiveの手順書は flint:40b-a2b-qat-int4 を選ぶように書いているので、そちらにするなら、このあとの ollama launch の --model も同じタグにそろえると、ダウンロードは1回で済みます。会話が始まったら質問を打ち込めます。終わるときは /bye です。
Ollama自体の入れ方と、Macでモデルを動かす基本の流れは、DeepSeek-R1をmacOSでOllamaを使用して起動する方法と同じです。
Claude Code・OpenCodeから使う
Ollamaの ollama launch を使うと、Claude CodeやOpenCodeの設定をOllama側で済ませて、そのまま起動できます。作業したいプロジェクトのフォルダで実行します。
Claude Codeの場合:
ollama launch claude --model flint
OpenCodeの場合:
ollama launch opencode --model flint
OllamaのFlintのページには、このほかにHermes Agent(ollama launch hermes --model flint)とOpenClaw(ollama launch openclaw --model flint)も載っています。ollama launch opencode は、自分の opencode.json を書き換えずに、その場だけの設定で起動します。
コンテキストを64k以上にする
Ollamaの文書では、Claude CodeもOpenCodeも、手元のモデルを使うときはコンテキストを64k以上にするように書かれています。OpenCodeは64k以上が必須です。
一方でOllamaは、使えるVRAM(GPUのメモリ)の量でコンテキストの初期値を決めます。
- 24GiB未満:4k
- 24GiBから48GiB:32k
- 48GiB以上:256k
初期値のままだと64kに届かないことがあるので、Ollamaのアプリの設定にあるつまみで長さを上げるか、Ollamaを次のように起動します。
OLLAMA_CONTEXT_LENGTH=64000 ollama serve
実際に割り当てられた長さと、GPUで動いているかは、次のコマンドの CONTEXT と PROCESSOR の欄で分かります。
ollama ps
コンテキストを長くするほどメモリを使います。Ollamaでのコンテキストの考え方は、DeepSeek R1×Cline×OllamaでローカルAI開発環境を作るでも扱っています。
Recursiveの「rec」で動かす
48GB以上のM4 Pro・M5 Pro・M5 MaxのMacなら、Recursiveが出しているエンジン「rec」も使えます。Recursiveは、recとエージェントの「Pi」の組み合わせをいちばんのおすすめにしています。recのGitHubでは、M4 Pro(48GB)で、llama.cppの1.4倍から2.6倍の速さで文字を出せたとしています。
インストールは次のコマンドです。~/.local/bin に入り、新しいターミナルから使えます。
curl -fsSL https://raw.githubusercontent.com/recursive-oss/rec/main/install.sh | bash
そのあと、Piを使うなら1行目、OpenCodeを使うなら2行目を実行します。最初の1回で、モデルとエージェントがダウンロードされます。
rec launch pi
rec launch opencode
recのサーバーはターミナルを閉じても動き続けるので、止めるときは rec stop を実行します。recは同時に1つの作業で使う前提で作られていて、エージェントを何個も同時に動かすなら、ほかの動かし方を使うように、とされています。
使う前に気をつけること
Recursiveは、Flintが間違ったコードや不適切なツールの呼び出しをすることがあるとしています。生成されたコードは試してから使い、影響の大きい変更は適用する前に見直すように、とのことです。ツールを使わせるときは、エージェントの側で、できることの範囲を決めておく必要があります。Claude Codeなら、コマンドを実行する前に許可を求める仕組みをそのまま使えます。
また、推論が長くなると、答えが出きる前に出力の上限に届くことがあります。Recursiveは難しい問題では出力の上限を32,768トークン以上にするようすすめています。
よくある質問
無料で使える?商用でも使える?
重みはApache 2.0で公開されていて、自分のパソコンで動かすのにお金はかかりません。商用での利用も、Apache 2.0の条件の中でできます。Recursiveが別に出しているAPIの利用条件は、重みのライセンスとは別です。
WindowsやLinuxでも使える?
Ollamaでは、0.40.8の時点ではmacOSだけです。ほかのGPUへの対応は次のリリース以降とされています。10月22日 10時33分(日本時間)に出たプレリリースの0.40.9-rc3のリリースノートには、FlintがmacOSに加えてLinuxとWindowsでも動くようになったと書かれています(10月23日 9時56分の時点で、正式な0.40.9はまだ出ていません)。Recursiveの手順書には、NVIDIAのGPUのLinuxやWSL2でllama.cppとGGUFのファイルを使う方法や、LM Studio・vLLM・SGLangで動かす方法が載っています。
コードは外に送られる?
手元で動かすかぎり、データは自分のパソコンの中に残る、とRecursiveは書いています。ただし、Claude CodeのWeb検索のように外につなぐ機能を使えば、その分は外に出ます。
ほかのローカルのモデルとどちらがいい?
Flintはコーディングに絞ったモデルで、画像は読めません。ほかに手元で動かせるモデルとしては、Nemotron 3.5 Boltがあります。必要なメモリや使い道を比べて選んでください。
参考にした情報
- RecursiveSI/flint(Hugging Face)
- RecursiveSI/flint-int4(Hugging Face)
- Introducing Flint(Recursive)
- Ollama(Recursiveの手順書)
- Choose your setup(Recursiveの手順書)
- rec(Recursiveの手順書)
- recursive-oss/rec(GitHub)
- Ollama v0.40.8(GitHub)
- Ollama v0.40.9-rc3(GitHub)
- flint(Ollama)
- flintのタグ(Ollama)
- Claude Code(Ollamaの文書)
- OpenCode(Ollamaの文書)
- Context length(Ollamaの文書)
- macOS(Ollamaの文書)

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